一生続くと思われたうだる夏は、気がついたらどこかへ消えていた。
あんなに暑かったのに、今では手袋とマフラーを欲している。
2023年は「お前は無能だ」という事実を、嫌というほど突きつけられた。
2023年は俺に恨みでもあるのだろうか。
今年ははじめてコミティア(一次創作オンリーの同人即売会)に参加した。2023年5月。はじめて漫画を描いた。
そこから9月、12月と立て続けに参加した。3冊漫画を描いた。
知り合い以外には2冊しか売れなかった。
元々絵なんてぜんぜん描いてこなかったし、音楽活動で疲弊し、逃げるための時間が作りたくて、漫画教室に通いはじめた。
そんなふわっとした気持ちではじめたイラストは、描けば描くだけ、下手くそな線の塊が僕に「お前には才能がない」と突きつけ、その都度、怒りと悔しさが募っていく。
今年は音楽活動も思ったような結果は出なかった。
毎月、新曲を作って弾き語りライブに持っていったが、結局、しっくり来る曲は今年は作れなかった。
ギターの技術も、歌も、なにも上達していない。
毎回、録音した自分の演奏を聴いて、部屋でひとり絶望する。
漫画も、音楽も、掴むことも、触れることすらできなかった一年だった。
33歳。
周りは結婚だの、仕事の成功だの、なんだの。
嫌になって酒を胃に流し込んだところで、ギターの技術も画力も上がらない。
無能感が、自分の首をゆっくり締め付ける。
…だけど、才能のない自分のやることは決まっている。
筆を折ることはしたくない。
ほんとうに、少しずつではあるが、1mmずつ、ちょっとずつ、前に進むしかない。
無能感と虚無感を、ときには酒で紛らわせながら、折れずに、前を見て、走り続けていきたい。
才能もない30歳過ぎの男の、ひとりぼっちの年末。
来年は負けたくないなって。
来年はなにかを掴みたい。
TrashlogTrashlog
okutaniのTwitter以上, ブログ未満な文章
2023年、33歳の無能
2023.12.31