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okutaniのTwitter以上, ブログ未満な文章

こんなにも君を愛しているのに。

2024.08.10

日々をぐっと、濃縮して、溶かす。

壊して、バラして、みつめて、みつけて、磨く。

路地裏で流した涙が、僕らを銀河の果てへ連れてゆく。

「美しいものってさ、なんであんなにも美しいんだろう?」

夜が終わり、恋が生まれる。

コンビニのホットスナックの匂いにやられて、飲んだ酒をぜんぶ吐いちまった。

いつもと違う中央線、揺れているのは、いつもと違うのは、僕の心が「がたんごとん」と揺れ続けているのは。

二人の影。

「一緒に初恋を越えようね」酒を飲みながら約束した、あのアバズレ女。

欠落した感情の欠片を探し歩く。

「三十歳になったらさ、俺たちなにしてるんだろうね」

夏の夕暮れ、井の頭公園に浮かんだ、僕とあいつの残像と、缶ビール。

僕ら恋と革命のために生まれてきた。

「帰り道のお月さまがね、とても綺麗で。それでさ、その月がね、笑った君の口の形に似てるんだ」

君の笑った顔を思い出す。

洗濯物が風でゆらゆらと揺れている。

「このまま一生、一緒に居ようね」

安アパートの階段を、なるべく音が響かないように、ゆっくりとのぼる。

思わず吹き出してゲラゲラ笑っちゃうぐらい、あっという間に日々は過ぎてゆく。

あの日の歌が聴こえてきて、朝、目が覚めた。

僕を見つめる君を見ていた。

...

「ねえ、あと30分ぐらいで着くかな」と、つまらなさそうに助手席で君はスマホをいじり、僕は「うん。そうだね」とすこし笑って君に顔を向けるも、君は頷きもせず、黙ってスマホをいじり続けている。

スマホを横に向け、YouTubeかなにかで韓国アイドルの動画を見始めて、僕は前に意識を集中した。

沈黙が苦手だった。

頭の中で必死に、なにか話題になる事柄をたぐり寄せ、それと同時に、アクセルとブレーキを丁寧に扱い、たいせつな彼女に不快な思いをさせないよう、一層気を張り詰め、快適なドライブを提供することを心がけた。

テールランプが淡く揺れる。

トンネルの灯りがキラキラと、僕らの左右を流れ星のように通り過ぎてゆく。

君はまだスマホを見続けている。

なんだか居心地が悪くなった僕は、たまらなくなって、窓を開けると、ごうごうと風を切る音が車内に響いた。

ゆっくりと、心に爪を立てていた。

こんなにも君を愛しているのに。