誰かがそばに居たような気がした。
街灯に揺れる影が重なって見えた。
すれ違った他人の香水の匂いがする。
大きく息を吸って、吐いて…
井の頭公園はすこしずつ、赤、黄、茶と、色付いている。
憎いほど長く激しい夏は、通り過ぎた今、澄ました顔、でもそれがなぜかすこしだけ、遠い思い出のように、寂しく感じた。
結局のところ、ないものねだりばっかり。
最近、変わらない日常を切り取り、部屋の額縁に飾って眺めていたら、なにかが変わる予感がした。
誰かのタバコの火種がホタルに見える。
恋という精神安定剤を、などと、酔ったセリフが頭に浮かび、恥ずかしく、心にこびりついて離れないそいつの頭を、そっと撫でてやった。
僕のイヤホンからはあいも変わらず、トリートメントされた曲を次からつぎへ、阿呆みたいになにも考えていないからっぽ脳内に流し込む。
停止した思考の先にある、幸福論。
結局のところ、僕はぼくで。バカのまま、生きている。
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okutaniのTwitter以上, ブログ未満な文章
思考停止
2024.11.15New