かれこれ一年半ぐらい、吉祥寺の駅前にある音楽教室に通っている。
僕はギターと歌を習っている。
月に1回、原宿に生徒を集め、ライブレッスンという「人前で歌を披露するレッスン」がある。
自主参加のレッスンなのだが、僕は毎回、予定さえ合えば参加するようにしていた。
「していた」というのは、今日で参加は最後にしようと思っているからだ。
こんなのはロックじゃない
当たり前だけど、こんなのはロックじゃない。
僕はロックが好きだ。
音楽のロックも好きだし、生き方のロックも大好きだ。
たった一曲を人前でやるため、気持ちよさそうに尾崎豊を歌う男、女子高生が一生懸命歌うディズニー音楽、おばあさんのピアノ弾き語りカーペンターズ。
まだギターやピアノの弾き語りはマシな方で、ほとんどの人がカラオケ音源、誰かのカバー。
それらをうんうん、うんうん、と頷き、聴いて、「応援メッセージ」に数行、こうだ。
「力強い演奏でした!」「高音の伸びがとても素敵です」「他の曲も聴いてみたいです」「とても上手でした。CDを聴いているようでした」と。
そんなことを、つらつら書いている自分に、嫌気がさす。
これはロックじゃない。
かといって、自分がその人たちより歌が上手いわけでもなく、ギターが上手いわけでもなく。
稚拙なオリジナルソングをあれこれためし、その忌み嫌っている「応援メッセージ」に、僕自身、受け取っては、一喜一憂していたのだ。
もう、そんな自分は辞めよう。
人はそれを成長と呼ぶのかもしれない
ただ、それを人は「成長」と呼ぶのかもしれない。
僕自身、ライブレッスンに初めて参加したときはかなり緊張した。
それを乗り越えた今、こうやって、かろうじてギターと歌ができている。
平成の終わりに、オープンマイクにも参加できた。
それも、そのライブレッスンに参加していたおかげだ。だから感謝している。
ただ、こんなこと長くやってはいけない。
こんなのはロックじゃない。
本当はバンドを組んで、ライブをやりたい。
が、人脈も、実力も、まだない。
とうぶんは一人でせこせこ活動して、バンドじゃなくて弾き語りで活動し、いつか、きちんと人前でライブがやりたい。
嗚呼、なんだかセンチな感じになった。
おわり。
PS. 母さん、新しいギターを買いました。今度うちにきたときに見せますね